以前に発表された予防照射の意義を見たRP2 試験の続報がASTRO 2025で発表されました。
初回の予防照射でQOLは改善するのか。
主解析のおさらい|https://doi.org/10.1200/jco.23.00753
【方法】
参加施設:3施設 (MSKCC と関連施設)
比較:標準治療 vs. 標準治療+予防照射 (RP2)
対象:無症候性・*高リスク骨転移
*高リスクの定義:
①bulky (≥2 cm)
②肩・股・仙腸関節の病変
③骨皮質厚の1/3~2/3 を占める長管骨病変
④移行部椎骨 (C7-T1, T12-L1, L5-S1) or 後方成分病変
介入:通常照射、SBRTいずれも可
PE:SRE発生割合 (=病的骨折、脊髄圧迫、整形手術、疼痛緩和照射)
【結果】
N=78人122病変
1-y SRE (PE):14 (29%) vs. 1 (1.6%) p<0.001
ただし、イベントの多くが「疼痛緩和照射」
1-y SRE (RT除く):6 (12%) vs. 0 p=0.008
イベント内訳:病的骨折4 (長管骨骨折は0)、脊髄圧迫 2
MST:1.0 y vs. 1.7 y p=0.018
毒性:Gr. ≥3 の放射線有害反応なし
QOLに関する続報|https://doi.org/10.1016/j.ijrobp.2025.06.1122
【結果】
セルフケア:6か月時点で対照群は低下したが、予防照射群は改善(p=0.022)
不安/抑うつ:3か月時点で予防照射群は悪化したが有意差なし(p=0.120)
その他(移動、日常活動、痛み/不快感):有意差なし
表.各時点でのEQ-5D-5Lの領域ごとの差異
【結論】
予防照射によってセルフケアが保持される傾向が示され、6か月超の生存患者では恩恵があるかも。
【参考】
治療計画ガイドライン2024:症例数やイベント数が少なく、予防照射の是非については第III相試験の結果が待たれる。














