頸椎~腰椎
結論から言うと「CTV = GTV ではダメ」です。
頸椎~腰椎の CTV 設定は、ISRCコンセンサスガイドラインの方法が世界的に広く受け入れられています [1]。1つの椎骨を6つのセクターに分け、GTV の存在するセクターおよび隣接するセクターを CTV に設定する方法です。CTV = GTV では局所再発が多いとの報告が複数あり、それに基づいています。Chen らの報告では、ISRC コンセンサスを遵守したか否かで1年局所制御割合に有意差が認められました (63.0% vs. 85.5%, p<0.001) [2]。
ISRCコンセンサスではGTVから離れたセクターのCTV省略や離れた部位のCTV縮小が含まれていました。本試験でもこれをプロトコールに落とし込むため、「15 mmルール」を作成しました。GTVから15mm離れたセクターのCTV省略や離れた部位のCTV縮小を許容としています。
1. IJROBP. 2012;83(5):e597-605.
2. Radiother Oncol. 2022:173:215-22.


仙椎
仙椎の CTV 設定についても、国際コンセンサスが存在します [3]。1つの仙椎を8つ以下のセクターに分け、GTV とその隣接セクターを CTV に設定する方法です。しかし、この方法では部位によって4 cm以上の CTV マージンとなります。
我々研究グループでは、このマージンが大きすぎると判断し、非脊椎骨転移の国際コンセンサス(骨内マージン 5~10 mm [4])を参考に、骨内 CTV マージン 10 mm と規定しました。仙骨内に解剖学的障壁は存在しないため、非脊椎骨の方法を外挿できると考えた訳です。
3. Radiother Oncol. 2020;145:21-9.
4. IJROIBP 2022;112(2):351-60.
