傍脊椎腫瘍
脊椎から骨外に進展した腫瘍を傍脊椎腫瘍と呼びます。解剖学的障壁である骨膜を破壊しているので、理論的に CTV マージンが必要となります。ISRC コンセンサスや仙椎転移の国際コンセンサスで傍脊椎腫瘍について触れていませんが、非脊椎骨転移の国際コンセンサスでは 5~10 mm の CTV マージンが推奨されています [1]。
脊椎転移では食道や咽頭と近接するため、CTV マージンをより小さくする必要があります。本試験では、「傍脊椎腫瘍部分に1~3 mm の CTV マージン」と規定しました。
1. IJROIBP 2022;112(2):351-60.

硬膜外病変
脊柱管内進展した病変を硬膜外病変と呼びます。硬膜外病変では、硬膜外腔(=脊柱管内かつ硬膜外の間隙)に沿って病変が進展します。この現象は、硬膜が強固であるために浸潤できず、腫瘍が硬膜外腔のスペースに逃げていくために起こります。術後 SBRT のコンセンサスガイドラインでは、硬膜外病変に対して、頭尾方向に5 mm以下の硬膜外腔を CTV に含むことを推奨しています [2]。
本試験では、若干の幅を設け、「Bilsky grade 1b~1c 病変には硬膜外腔を5~10 mm CTV に含む」と規定しました。
2. IJROBP. 2017;97(1):64-74.
